ツール活用

Gemini Deep Researchで調査計画を作る手順

Gemini Deep Researchで調査テーマ、範囲、期間、除外条件、優先する情報源を指定し、生成された計画を編集してから調査結果を検証する方法を解説します。

公開日
最終検証
次回確認
確信度
HIGH
GeminiDeep Research調査情報収集
調査計画から複数の情報源へ進むカラフルなリサーチイラスト

この記事で分かること

  • Gemini Deep Researchを使う前提条件
  • 調査テーマ、期間、除外条件を含む依頼文の作り方
  • Google Search、Gmail、Driveなどの情報源を選ぶ考え方
  • 自動生成された調査計画を開始前に編集する方法
  • 引用先、公開日、事実の適用時点を確認する方法

注意: Deep Researchの長いレポートは、正しさの証明ではありません。調査計画と情報源の採用基準を人が決め、重要な主張は引用先の原文で確認してください。

先に結論

Gemini Deep Researchを安全に使う鍵は、レポート生成前に調査計画を編集することです。「市場を調べて」のような広い依頼ではなく、対象、地域、期間、比較軸、除外条件、優先する一次情報を指定します。

Gemini Deep Researchで計画を編集して結果を検証する流れ 問いを絞り、使う情報源と調査計画を人が選び、完成後に引用を検証する流れを示す。

AIへ任せるのは検索候補の収集と整理です。何を証拠として採用するか、古い情報を現在の事実として扱ってよいか、結論を業務へ使うかは人が判断します。

利用前提を確認する

2026年7月29日時点のGoogle公式ヘルプでは、Deep Researchの利用には次の条件があります。

  • 18歳以上であること
  • Gemini Appsへサインインしていること
  • 日次の調査回数と同時実行数に上限があること
  • 上限へ近づくと、残り回数が画面で通知されること
  • Google AI ProとUltraでは、より高い利用上限が案内されていること

すべてのユーザーがレポート用のThinkingを利用でき、ProとUltraの利用者はProを選べると案内されています。ただし、モデル名、利用回数、地域別提供、画面表示は変更される可能性があります。固定の回数を前提にせず、実際のアカウント表示を確認してください。

調査を始める前に決める6項目

例として「日本の中小企業向け生成AI研修市場」を調査します。入力前に次を決めます。

項目 今回の設定例 曖昧な指定
問い 導入障壁と提供形態を比較する 市場を調べる
地域 日本国内 国内外すべて
期間 2025年1月〜2026年7月 最近
対象 従業員300人以下を主対象とする研修 AIサービス全般
除外 個人向け講座、根拠不明の比較サイト 特になし
優先情報源 省庁、自治体、提供企業の公式資料 検索上位

「最近」「主要」「人気」といった言葉には基準がありません。日付、対象数、売上、導入社数などを比較したい場合は、その指標が公開されていなければ「不明」とする条件も加えます。

コピペできる市場調査用の依頼文

# 調査目的
日本の中小企業向け生成AI研修について、2026年度の企画判断に使う基礎資料を作る。

# 調査範囲
- 地域:日本
- 対象期間:2025-01-01から2026-07-29までに公開・更新された情報
- 対象:主に従業員300人以下の企業を対象とする法人研修
- 比較軸:対象者、提供形式、研修時間、料金の公開有無、演習内容、情報管理の説明

# 優先する情報源
1. 日本政府・自治体・公的機関の公開資料
2. 研修提供企業の公式ページ、公式PDF、利用規約
3. 調査方法と対象数が明示された一次調査

# 除外条件
- 出典のないまとめ記事
- 公開日または更新日を確認できない料金情報
- 個人向け講座だけを提供するサービス
- 同一内容の転載ページ

# 出力条件
- 事実と推測を分ける
- 重要な数値には、発行者、資料名、公開日、対象期間、URLを付ける
- 情報源同士が矛盾する場合は両方を示す
- 確認できない項目は「非公開」または「確認できず」とする
- 最後に、追加で人が確認すべき論点を列挙する

この依頼文は、そのまま結論を求めるのではなく、調査の境界を作るものです。自社の機密資料を追加する場合は、社内規程と接続権限を先に確認してください。

手順1:Deep Researchを選ぶ

PC版の公式手順に沿う場合は次のように進めます。

  1. gemini.google.comを開いてサインインします。
  2. 入力欄のAdd Filesに相当する操作からDeep Researchを選びます。
  3. 必要なら、調査依頼の補助資料をアップロードします。
  4. Sourcesを開き、使用する情報源を選びます。
  5. 先ほどの依頼文を貼り付けて送信します。

成功の目安は、すぐに完成レポートが出るのではなく、調査計画が表示されることです。画面名は日本語表示や更新によって異なる場合があります。

手順2:情報源を選ぶ

Google Searchは既定の情報源として含まれます。公式ヘルプでは、Gmail、Drive、アップロードファイル、NotebookLMのノートブックなどを追加できると案内されています。

GmailやDriveを使うには、Gemini AppsへGoogle Workspaceアプリが接続されている必要があります。接続したからといって、利用権限のない資料を調査対象にしてよいわけではありません。個人メールと業務資料を混ぜず、今回の目的に必要な範囲だけを選びます。

Google Searchを外し、選択した別の情報源だけに限定することも公式手順に記載されています。社内資料だけの要約と、公開Webの市場調査は別々に実行した方が、どちらの情報が結論へ影響したか追跡しやすくなります。

手順3:調査計画を編集する

Geminiが計画を作ったら、Edit planに相当する操作を選びます。開始前に次を確認します。

  • 地域が日本に限定されているか
  • 期間が日付で記載されているか
  • 「中小企業」の定義が明示されているか
  • 公式資料を先に調べる順序になっているか
  • 料金を税込・税別で混同しないか
  • 非公開の値を推定で埋めないか
  • 除外条件が計画へ反映されているか
  • 最後に引用確認を行う工程があるか

不足があれば、次の追記を入れます。

計画を次のように修正してください。
- 最初に公的機関と提供企業の公式ページを確認する。
- 料金は確認日、対象プラン、税表記、最低契約条件を分ける。
- 「導入実績」は累計、現在契約中、受講者数を混同しない。
- 数値を掲載する前に、原資料の公開日と調査対象期間を記録する。
- 出典のない推定値から市場規模を作らない。

計画に反映されたことを読んでからStart researchを選びます。Googleは、一般的にはレポート生成に5〜10分程度かかり、複雑な調査ではさらに長くなる場合があると説明しています。これは目安であり、完了時間の保証ではありません。

手順4:完成レポートの構造を確認する

レポートが完成したら、まず文章の滑らかさではなく、次を見ます。

  1. 依頼した対象・期間・地域が守られているか
  2. 重要な数値に引用が付いているか
  3. 比較表の列が依頼した比較軸と一致するか
  4. 非公開情報が推測値へ置き換わっていないか
  5. 結論が引用元の範囲を超えていないか

「市場は急成長している」と書かれていても、引用が1社の販売ページだけなら市場全体の事実とは扱えません。主張の強さと証拠の範囲をそろえます。

手順5:出典確認表で検証する

レポートから意思決定に影響する主張を5件程度抜き出し、次の表へ記録します。

| No. | レポートの主張 | 発行者 | 原資料 | 公開・更新日 | 資料の対象期間 | 原文で確認 | 採否 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 |  |  |  |  |  | 未確認 | 保留 |
| 2 |  |  |  |  |  | 未確認 | 保留 |
| 3 |  |  |  |  |  | 未確認 | 保留 |
| 4 |  |  |  |  |  | 未確認 | 保留 |
| 5 |  |  |  |  |  | 未確認 | 保留 |

各引用リンクを開き、次を確認します。

  • ページが実在し、主張に対応する記述がある
  • 発行者が想定した組織と一致する
  • 公開日または更新日を確認できる
  • 数値の調査期間、母数、単位が一致する
  • ページ内の古い表を現在値として使っていない
  • 二次記事が一次資料を正しく参照している

引用先がトップページだけ、該当箇所が見つからない、日付が確認できない場合は採用を保留します。別の一次資料を探すか、「確認できず」とレポートへ戻します。

期待結果と完了条件

調査成功の基準は、長いレポートではなく次の状態です。

確認項目 合格条件
範囲 地域・期間・対象が依頼通り
情報源 重要主張が公式・一次情報中心
引用 リンク先の該当記述を人が確認済み
日付 公開日とデータ対象期間を区別
不明点 非公開・確認不能を推定で埋めていない
意思決定 事実と編集上の提案を分離

レポートはDocsへ書き出したり、内容をコピーしたりできます。ただし、書き出し後も引用確認表を一緒に保存し、検証前の版を「確定版」と呼ばないでください。

失敗しやすい点と対処

調査テーマが広すぎる

対象、期間、比較軸を減らします。1回で市場規模、競合、顧客課題、法規制を全部調べず、問いを分割してください。

検索上位を信頼度順だと思う

検索順位と証拠の質は別です。省庁資料、公式規約、企業の正式発表、方法が公開された一次調査を優先します。

料金や機能を現在値として断定する

料金には対象プラン、地域、税、契約単位、確認日を付けます。日付を確認できない比較記事は補助情報に留めます。

GmailやDriveを無差別に追加する

個人情報、契約情報、未公開資料がレポートへ混ざる可能性があります。情報源ごとに閲覧権限と利用目的を確認し、不要な接続は使いません。

過去レポートが見つからない

公式ヘルプでは、過去の調査レポートを見つけるにはKeep Activityがオンである必要があると案内されています。保持方針との兼ね合いがあるため、組織ルールを確認して設定します。

Deep Researchを採用しない条件

数分で公式ページ1枚を確認すれば足りる質問、機密性が高く外部サービスへ入力できない案件、法務・医療・投資判断をレポートだけで確定したい案件には採用しません。引用原文を人が確認する時間を確保できない場合も、重要調査には使わない方が安全です。

AI活用ナビの判断

AI活用ナビの判断: Deep Researchの価値は、長文生成より「検索候補と論点を広く集めること」にあります。調査計画の編集権と出典の採否は人が持ち、重要主張を原資料へ戻せる形で使うべきです。

同じテーマを継続調査する場合は、依頼文、計画、出典確認表、確認日をセットで保存します。次回は前回の結論を無条件に再利用せず、変動する料金・制度・提供条件だけを再確認します。

確認日と公式情報

確認日:2026年8月22日。利用可能なモデル、回数上限、情報源、視覚要素、画面名、地域別提供は変更される可能性があります。

確認した一次情報

  1. Use Deep Research in Gemini AppsGoogle · 2026年8月22日